スタッフ・ブログ Meridian for Music Lovers

 

 

Meridianの商品の使い方やHi-Res(ハイレゾ)音源の楽しみ方、メリディアンの共同創業者ボブ・スチュアートが開発したMQAのわかりやすい解説などをお伝えしていきます。どうぞ、お立ち寄りください。


むずかしい教科書無用のMQA-CD。セッティングのあれこれ

 

既存のCD/SACDプレーヤーを生かして

旬の“ハイレゾCD”を楽しむ

 

 

MQA-CDを楽しむ作法は、極めて簡単です。ハイレゾ再生をするには、パソコンなど色々な知識が必要になる場合がありますが、MQA-CDならそんな煩わしさも全くありません。ここでは、今までお使いのプレーヤーを生かして外付けのMQAデコーダーをつないで、MQA-CDを楽しむ方法を紹介します。MQA-CDの開発メーカーである、メリディアンの218を使って説明していきたいと思います。セッティングのあれこれを少し紹介させていただきます。

 

オーソドックスなオーディオシステムなら、同軸ケーブル接続がお薦め

 

218の発売依頼、色々な専門店でデモ試聴を行っていただいてきました。その9割以上は、同軸出力(RCA 75Ω)での接続でした。信号経路としては、SACD/CDPLの同軸出力からMQA―DACの同軸入力端子へ、MQA-DACのアナログ出力からプリ(メイン)アンプのアナログ(AUXなど)の入力端子へという流れになります。ケーブルのインピーダンス・マッチングは、ハイレゾ再生には思いのほか影響が大きいので必ず75Ωのケーブルを使います。ソース機器から送られるデリケートなハイレゾ信号を正しくDACまで伝送して貴重なマスタークオリティのMQAーCDの価値を最大限、味わいたいものです。

 

 

ワンランク上のケーブルでハイレゾCDの醍醐味を

 

ハイレゾCDには、是非ワンランク上のデジタル・ケーブルを試してみてください。いたずらに高価なケーブルは必要ありません。シールド層がしっかりしていること。コネクターの信頼性の良いもので安定して良い音質が得られます。218には、ウルトラDAC(250万円税別)にも搭載されているきわめてユニークなクロック回路が採用されています。ディスク再生で問題になるジッター対策はハイエンド機なみですので、是非そのポテンシャルを発揮させるためにも、ケーブルにも目を向けていただけると幸いです。

 

色々なノイズ対策に有効な光ケーブル

 

CDPLとアンプだけの接続の場合は、まず同軸ケーブルを使う方が多いのですが、注意すべきはパソコンやNASを使ったいわゆるハイレゾ環境に、さらにDACを追加する場合です。ある専門店さまではNASを使ったネットワーク環境にMQAデコーダーを追加していただきましたが、その折りには光ケーブルを使われました。光接続によって電気的な結合を避けた方が良い場合があります。また、電源、ネットワーク、USB、アナログなど色々なケーブルが集中しているときには、外来ノイズの影響を受けない、また電気的ノイズの影響をを周囲に与えない光ケーブルのメリットが生かされます。また、1-2mなら光ケーブルより同軸ケーブルが優位とされますが、距離が伸びると光ケーブルが優位とも言われます。

 

 

他ケーブルと干渉しないよう適切な長さのケーブルを選ぶ

 

 最後にケーブルは無用に長いものは必要ないわけですが、どう引き回すか事前に少し検討しましょう。CDとMQAデコーダーをつなぐ同軸ケーブルはフォーマットこそ44k16bitbに過ぎませんが、実質はデリケートなハイレゾ信号を伝送している訳です。従ってまず、同軸ケーブルと電源ケーブルとの接触、接近は御法度なので十分留意します。それから、スピーカーケーブルやアンプに接続されいるピンケーブル(アナログ)にも接触しないように距離をとれることが望ましいです。もし、NASやパソコンも使っているときには、それら本体やケーブルとなるだけ交錯しないようにします。引き回しを考えると、固めのケーブルより、柔らかいケーブルの方が扱いやすい場合があります。まず何か手元のピンケーブルで実際に仮接続してみると、どのぐらいの長さが最適なのかすぐわかります。

 

音質チェックは、まず聴き慣れた普通のCDで

 

MQA-CDは、100%物理的には普通のCDと同じ仕様です。従って普通のCDが良く再生できるかどうか、はセッティングを検討する上でとても参考になります。

 

またSACDとMQAの違いも中々興味深いものですので、ぜひ試してみてください。例えばユニバーサルミュージックから発売されているMQA-CDは、もともとSACDとして発売されていたDSDマスターを使っていますので、同じマスターから作られたSACDタイトルをお持ちなら、比べてみることもお薦めです。なお、MQA―CDは44.1kの整数倍のサンプリング周波数で収録されていますが、実はサンプリング周波数にMQAの音質効果は殆ど依存していません。44.1k24bitでも通常のCDとの違い=時間軸情報のボケは小さく、文字通りハイレゾCDとして楽しむことができます。スペックに踊らされないで良い演奏、良い録音の好きなディスクを選んで楽しんでください。この時間軸のボケは88kでスタジオレベルになり、172k、352kでも再生上の差異は殆ど感じられません。そこは、通常のハイレゾとMQAの違うところです。

 

 

CAPJ 9399 SA SACD 
CAPJ 9399 SA SACD 
UCCO-40031 MQA-CD ハイレゾCD
UCCO-40031 MQA-CD ハイレゾCD

 

おやっ!MQA再生インジケーターが点灯しないときは?

 

お手持ちのプレーヤーのSPDIF出力にアップサンプリング機能があるケースがあります。再生側が必ず、44kHz16bitのオリジナルのSPDIF信号を送り出すことが必要です。アップサンプリングしてしまうと、MQAが折り畳んでいたハイレゾ成分の信号が変化して、MQA信号ではなく単なるPCM信号として出力されます。それでも音質的には、CD以上となるため、ランプの故障か?と感じるときもありますが、MQAデコードが正しくされた時には、必ずインジケーターが点灯します。プロ用モデルで一部48k出力になっているものがあるそうですが、MQA-CDの送り出しには不適格です。やはり44k16bitの直出しが必要です。

 

ハイレゾCD再生には、確かにMQA-CD再生プレーヤーが、最も簡便な方法です。しかし愛着のあるお手持ちプレーヤーとMQA-DACとの組み合わせでケーブル選びを楽しんであれこれ、チューンしてみるのも、またオーディオ好きにとっては、楽しい時間ではないでしょうか。MQA-CDの開発者が設計したMeridian218は、ディスク再生派にぜひお使いいただきたいハイレゾ再生入門機です。コンパクトで置き場所の自由度が高いのでしっかりした設置スペースを選択するとさらにクオリティの向上が期待できます。

 

参考資料

 

音楽之友社 月刊ステレオ 2019年2月号

https://www.ongakunotomo.co.jp/catalog/detail.php?code=051902

 

オーディオを科学する「最新デジタル伝送」(柴崎 功)

 どう聴けばいいのか?MQA-CD(土方久明)


ソフトデコード、Audirvanaで楽しめるMQA96k24bitの実力

指揮者の最も大切な仕事はオーディオ的に言えば時間軸情報の管理ではないだろうか。指揮者はホールの響きや楽器ごとの発音のタイミングの違いを踏まえて指示を与え演奏者は自分の楽器に合わせて瞬時に楽音をコントロールしている。いつ音を出し、いつ音を音を終熄させるか。アーチストは研ぎ澄まされた時間を聴衆と共有している。
指揮者の最も大切な仕事はオーディオ的に言えば時間軸情報の管理ではないだろうか。指揮者はホールの響きや楽器ごとの発音のタイミングの違いを踏まえて指示を与え演奏者は自分の楽器に合わせて瞬時に楽音をコントロールしている。いつ音を出し、いつ音を音を終熄させるか。アーチストは研ぎ澄まされた時間を聴衆と共有している。

 

最近、Mac用の音楽再生プレーヤーAudirvanaがMQA96k24bit再生対応となった。ネット上でも紹介されているのでご覧になった方もいらっしゃると思う。幸運なことに、Audirvanaは試用することが出来るし、MQAもフリーダウンロードが出来る。左脳でどうなんだろうとモヤモヤ考えるより、まずは聴いてみるのも悪くないと思うので、ちょっとその方法について書いてみることにしたい。MQAについて興味をお持ちの方もよろしければお付き合いください。

 

①フリーのMQAファイルを2Lからダウンロードする

 

音楽あってのオーディオ談義であるので、まずは2LのフリーMQA音源の在処を確認してみた。(3月22日現在)グーグルで"2L test" と入力して検索してみると、嬉しいことに今でもMQA音源、それも結構な楽曲がフリーで入手出来る環境が維持されていた。その名もfree TEST BENCHだ。お薦めは、任意の楽曲で最高のグレードのファイルとMQAとを落としてみること。PCMなら358もぶら下がっているので試してみることができるのが誠に楽しい。近年これほどのお得感のあるハイレゾサイトはないと思う。

 


 

この2Lのサービス精神には、さらに感動してしまう。何しろ同じ音源を可能な限りあらゆるフォーマットで比較試聴させてくれるからだ。ここから好きな曲、フォーマットを選んでダウンロードするとMQAだけではなく、他の種類のファイルとの比較もできるから一石二鳥。初めてDSD5.8MとMQAを同時にクリックして落としてみたときに、そのダウンロードの早さの違いにきっと驚くだろうと思う。

 

1曲クリックしてみるとCDと同等の転送レートで再生できるということが納得できると思う。

②MQAに対応した新しいAudirvanaを入手する

 

次に再生プレーヤーについても同じく所在を確認してみた。こちらも、Audirvanaのキーワードで検索すると問題なくホームページに到達。トップページから、TRY NOWを選ぶと15日間のフリートライアルサービスが行われていた。規約を読んで同意(I fully agree with the above terms) をクリックすれば15日間のフリートライアルが出来るようになる。

 

③MQA96/24 とPCM358/768Hzとの比較してみると・・・

 

さて、AudirvanaをインストールしたMacとUSB DACを接続すればMQAのファイルも再生準備は完了。MQAでは、周波数特性やダイナミックレンジというレガシーな指標については、何も改善されているだけではない。従ってWAVやFLACあるいはDSDと比較して何かの音の違いを感じるとすれば、それこそが、音の時間軸の情報の改善の効果と考えられる。実際に色々なファイルと比較してみると判りやすいと思われる。

 

MQAとして市販されているファイルはデーターとしては何の変哲もないflac形式のものだ。(Wav,ALAC形式でも技術的には可能)

 

ここでデーターを元にMQAファイルの音質上のメリットに触れたい。MQAは過渡特性(インパルス応答)という時間軸のリンギングノイズが10マイクロ秒のレベルに収まっている。ソフトでコードされたMQA96kの精度は、従来のPCMコーデックの768k再生時のデーターより優れているのだ。(下図参照)

 オリーブのラインは、従来のPCMやDSDの時間軸解像度の変化。赤線はMQAだ。同じ96kでもMQAと従来のPCMでは、リンギング(時間軸のにじみ、ぼけの大きさ)が大きく異なることが見て取れる。MQA96kでは、時間軸情報の再現性は、10マイクロ秒プラスαとなっている。これをPCM384kと比較しても10分の1近くになっていることに気がつく。さらに、MQAでは96k - 192k - 384k - 768k でだいたい同じ水準のメリットを享受することが出来ている。

縦軸は、時間軸のリンギングノイズの長さを表す。人間は数マイクロ秒まで感知可能とされる。
縦軸は、時間軸のリンギングノイズの長さを表す。人間は数マイクロ秒まで感知可能とされる。

 

④なぜ、96kまでしかソフトデコードしないのか?

 

Audirvanaが96kまでしか対応しないことについて、色々な意見があるようだ。正直に言うと、フルで楽しめるだろうと予想していた方が多かったのではないだろうか。(小生もそうだっった!)結論から言うと、ソフトデコードは色々な環境で安定して動作し、スタジオで担保されたマスタークオリティを再現させるという観点でスタンダードが決められたものだそうだ。

 

ソフトデコードでオリジナルの周波数まで完全に再生させないのは、商業ベースの理由で制限しているなどの見方もあるようだが、小生が開発者のボブスチュアートの話を聞いたことからすると、純粋にMQA非対応のあらゆるデバイスを想定して最良の結果をもたらすための仕組みだと判った。

 

最良の結果とは、もちろんスタジオでお墨付きを得たアナログ出力を再現させること。96kとか24ビットとか数字のことではないのだ。

 

しかし、ボブさんから説明を聞いて安心したのはソフトデコードされた96kMQAデーターは、コア(核)と呼ばれていて、これもスタジオでマスタークオリティ(アナログ)としてチェックされているそうだ。フル展開された音質と同様に制作者によってギャランティされたものだ。

 

 

⑤MQAのエッセンスはAudirvanaで再生される『コア』に凝縮されている。

実際の楽曲の中で、96kのデーターにどんな要素が含まれているか、そしてそれ以上の帯域のデーターがどういう要素で構成されているものか。ちょっとここで触れてみたい。MQAは周波数の階層ごとにきめ細かい、そしてハイスピードで効率的な符号化処理を行っている。英語で階層的(ハイエラキカル)な信号処理と呼んでおり彼らの特許技術にも深く関連しているテクノロジーだ。

 

まず、図の緑・紺のラインで示した暗騒音は音楽再生の前・中・後に聴くことになるもので、録音環境の環境騒音およびアナログのノイズ(ピークと平均値)である。赤ラインとノイズレベルを示す緑・紺のラインはP点で交差している。P点より先、Cの領域の信号成分はノイズに埋もれていると考えられる。

 

素材によってP点の位置は異なるが、40k付近になることが多いという。コアと呼ばれるのはオレンジ色の三角地帯だ。Audirvanaは、MQAの音楽信号の折り紙を1回展開して、このコアの部分をビットパーフェクトで再生させる。

 

周波数としては88/96相当で、それ以上の展開をさせオリジナルのアナログ・クオリティを得るには、DSPエンジンだけではなく、オーディオ的に注意深く設計されたハードエンコード(MQAデコーダーを搭載したDACなど)が必要となる、という訳だ。

 左グラフの説明

 ラベルの弦楽四重奏を収録した実データー

 ハイレゾ成分を割と多く含んでいるサンプル

 

・縦軸は音圧、横軸はサンプリング周波数

・赤線:ピーク(最大音圧)のレベル

・緑紺線:ノイズレベル(録音環境の暗騒音)

・オレンジ:コアと呼ばれる信号領域

・AはCD相当の音楽信号

・Bは高い周波数の音楽信号

・Cはノイズフロアに埋もれた帯域の信号

 

 

 

とは言ってもマスターが192であれば、やはり96で展開をやめずにPCだけで192まで戻して再生したい、というのが人情だとは思うのだが、ご存じの通りパソコンは、USB DACやネットワークPLのようにオーディオ専用に設計ではない。96k以上の展開はデジタルの演算処理としてはおそらくMacでも何も問題なく出来ると推測するのだが、最終的にDACから出力されるアナログのクオリティを担保(コントロール)するのがMQAの仕組みである。

 

実際、ソフトエンコードで出力表示された数値が192だろうが384だろうが、出てきたアナログ音質が残念なものであったら誰もマスタークオリティとは言えなくなってしまうだろう。個人的には、むやみに数字を標榜せずに、アナログ音質にこだわって技術者として結果責任を担保したいという哲学の現れだと考えている。

 

 

開発者のボブスチュアートが常々説明してきたことの一つは、MQAは入力=アナログから出力=アナログまでをギャランティするもので、単なる圧縮技術ではないとうことである。まぁ、数字として大きくしておけば、安心だしお得感な雰囲気があって良いと思うというご意見もあるかもしれない。あるいは、192のものを192で聴けないのは不満だと考えるのも常識的なものである。

 

ただ、CD登場以来、忘れられてきた音楽=アナログのクオリティを担保することがMQAの生命であることは間違いない。MQAはすべてにおいて、今までのデジタルオーディオの既製概念を見直して生み出されている。彼らが理想としているコトは、重厚長大なプログラムや数字のマジックではなくて、上のコンセプト図のように、極めてシンプルなアナログtoアナログの音質の品位そのものなのだ。

 

以上、2Lレーベルの無償の音源ファイルとトライアルソフトを利用したMQAお試し実践のご案内と、参考情報を記してみました。テクニカルな説明は、ボブ・スチュアートの話と彼がオーディオ協会に寄稿した論文資料を基にしています。また彼らの海外での技術レポートを正確に、そして分かりやすく教えていただいた伏木雅昭さんにも御礼申しあげます。

 

 

最後に付け加えたい。スタジオで収録されたマスターを今流に言うところの『神』とするのがMQAの哲学である。マスターより良い音になる、創るとか作るという考え方はMQAには皆無だ。ファイルサイズが小さくて音質も改善する、という表現だけが一人歩きすると、まるでマジックのような印象を持たれている人も少なくないと思う。

 

ケーブルも含めて、正しく伝送する=悪くしないというという気配りがマスタークオリティの『再生』には不可欠である。それをスタジオから我々の再生機器まで一気通貫でAD-DAのシステムとして考えたのがMQAというコーデック技術である。

 

MQAの開発ではすべてのオーディオ機器や伝送経路はロッシーであると再認識して進められたという。すでにマイク、マイクケーブルからしてロッシーであるというのがボブ・スチュアートの口癖である。今までのAtoD、DtoAのプロセスで『あやふや』になっていた貴重な時間情報、ノイズに埋もれた音楽のエッセンスを再現させる工夫をしているに過ぎない。MQAは音を良くする技術ではなく、よりオリジナルのクオリティ~鮮度に近づくための壮大な創意工夫の哲学なのだ。

 

我々の先輩はアナログレコードの時代から、創意工夫を凝らしてオーディオを楽しんできた。自分のリスニングルームに、コンサートホールを出現させたり、ボーカリストの姿を見出したりすることは、脳によってイメージが再生されるものだ。音楽の本質に近い興奮や感動ではないだろうか。

 

しかし、一部のオーディオファンは周波数やダイナミックレンジの数字の呪縛にとらわれすぎていると一方的に批判する風潮があるのもおかしい。前掲のグラフのように、やはりサンプリング周波数の拡大によるメリットもあるあるからだ。

 

MQAでも96k以上にフルに展開すると、高い周波数成分を直接に聴くことはできないのだが、エッセンスであるコアの部分の時間軸情報の精度が上がるとボブ・スチュアートも論文やインタビューで明らかにしている。

 

ビット方向の拡張が音楽表現や脳にどういう影響を与えるかという研究成果はあまりなじみがないが、高い周波数が人間の脳におよぼすポジティブな影響については日本でも世界でも研究が進んでいることは衆知のところだ。

 

すでに、MERIDIAN以外のブランドでも、DACの性能に時間軸情報の再現性を追求する動きが出てきている。音楽を楽しむ道具としてのオーディオの楽しみ方がもっと広がっていく機運が高まっているように思う今日この頃である。まずは、15日間しかないがMacでUSB DACをお使いであれば体験してみて欲しい。

 

 

Meridian218をネットワークプレーヤーとして使ってみる、入門編

roonソフトを使ったネットワーク接続でハイレゾ音楽ファイル再生を

 

Meridian218は、お手持ちのCDPLと是非とも接続をしていただきたいのですが、ここではディスクだけでなく、これからハイレゾ音楽ファイルの再生をやってみたい、という場合に必要なことを少しまとめてみたいと思います。つまりネットワークプレーヤーの入門機としての218のご紹介ということになります。

 

218は、ネットワークプレーヤーとしても使用することができます。見たときにも機能性、拡張性、音質ともにこのクラスにないユニークな魅力を持つ商品です。メリディアンからスピンアウトしたエンジニアが作ったroonというソフトを使った快適な音楽スタイルを楽しんでいただければ幸いです。

 

Meridian 218 はroon tested プロダクトです。
Meridian 218 はroon tested プロダクトです。

 ■Meridian 218は2つの音楽ファイル再生方法に対応

 

ホームページ等をご覧いただいている方には重複しますが

まず、MQA-CD再生のおさらいから

 

(1)MQA-CDでハイレゾ再生する方法

 

何が必要ですか?

 

CDプレーヤーあるいは光ディスクプレーヤー(44,1kHz16bit SPDIF規格の出力端子があるもの)

ケーブル(光あるいは同軸)

別売リモコンあるいはiPhone,iPad

 

MQA-CD再生の注意事項は?

 

本機Meridian 218が、MQAをフルデコードするためには、MQAのファイル44kHz16ビットのオリジナルの信号のまま入力することが必要です。光ディスク側ではアップサンプリングされないように、オリジナルのCDフォーマットのまま出力するようにしてください。

 

 

218には、同軸&光のデジタル端子(SPDIF規格)が備わっています。通常のCDPLや光ディスクプレーヤーと218を同軸/光ケーブルを接続してハイレゾ再生が可能になります。

概念とすると、CDプレーヤーは、通常のCDとまったく同じプロセスでMQAーCDを再生します。そして光、同軸デジタルで218がCDの信号を受け取り、CDフォーマットの中に巧みに折りたたまれたハイレゾ成分を再現、再生する、という流れです。このプロセスをデコード(復調)と呼びます。

 

普通のCDでもメリディアン独自のDSP処理で音の解像度を改善させますので、長年聴き込んだCDでぜひお試し下さい。(ディスク再生の試聴テストレビューを読む)ちなみに、この橋爪徹さんのレビューではOPPOのマルチディスクプレーヤーが使われてました。

 

接続ケーブル選択の楽しみと重要性

 

MQA-CDを218で再生するには、お手持ちのCDPLと218を接続する光ケーブルあるいは、デジタル同軸ケーブル(75Ω)だけでOKです。ネットワーク再生に比較すると、初期投資が小さく、より手っ取り早くハイレゾ再生をスタートすることが大きな魅力です。唯一、ケーブルにはシールドがしっかり施されたタイプを選ぶことをお勧めします。

 

量販店の店頭で販売されている安価なケーブルでは、やはりハイレゾ再生では物足りないと感じます。とは言っても218の価格とバランスを見て選んでいただければ良いと思います。光ケーブルには、電気的に接続機器と繋がらないというメリットがありノイズ対策上、必要な環境では非常に有効です。小社ではオーディオソースには同軸端子。映像ソース(テレビやBDレコーダー)には光端子を使っています。

 

 

218の置き場所はプレーヤーの上でも良い?

 

CDプレーヤーの上に設置されるケースもありますが、実際、プレーヤーはモーター(磁界、振動、熱)など音楽再生にとっては最悪のノイズ源でもあります。プレーヤーから少し離れた場所に置いていただくと、クオリティ面でも耐久性の面でも有利になります。特にappleデバイスで操作されるなら、本体が見えなくても操作状態は画面でモニターできますので、安定して放熱の良いスペースを優先して選んでください。放熱が悪いスペースでの設置は、製品動作や耐久性にも影響があります。

 

 

 

さて、メインテーマの音楽ファイルのネットワーク再生”roon再生"に行きましょう。

 

(2)(roonソフトによるネットワーク再生)

   ~ ダウンロードサイトから購入したハイレゾファイルを再生する方法

 

roon再生には何が必要ですか?

roon 以外のソフトは使えますか?

 

パソコン(Win or Mac),無線ルーター(インターネット環境)

LANケーブル(218,PC用)

音楽再生ソフトroonをインストールしたパソコン

リモコン:別売りの赤外線リモコン、あるいはiPhone,iPad。

 

注1:アンドロイド端末による操作アプリは現在ありません。

注2:218ではRoon Labs社とMeridianの双方によって最大限の互換性が得られるようプロファイルおよびテストが行われています。現在218は、roonのみ対応となっています。(roon tested product)  

 

ハイレゾ音源のダウンロード購入

 

ハイレゾ音源はパソコンを使ってネット上のe-onkyoやmora、OTOTYのような専門サイトから好きなファイルを購入してダウンロードすることが出来ます。初めて使うサイトでは、まず無償で配布されているファイルを落として使い勝手を試してみるのも良いと思います。下記にご案内した、2Lとe-onkyo musicではMQAファイルも無償で入手できます。MQAについては、国内では今のところe-onkyo musicのみが販売をしており、タイトル数も今年、大きく伸びて1万タイトルをすでに超えています。

 

CDからリッピングしたファイルでも同様に再生可能?

 

パソコンでCDから取り込んだデーターも再生可能です。MQA-CDをリッピングした場合にはMQA音楽ファイルとしてハイレゾで再生することも出来ます。

 

■無償ハイレゾ音源の入手先

 下記の2L社、e-onkyoではMQAのファイルサンプルもあります。(19年4月現在)


ネットワーク再生の基本接続

 

218でネットワーク再生するにはパソコンと218を同じネットワーク上に接続することが必要です。

詳しくは下図、および操作ガイドをご覧ください。(クリックで拡大します)

roon(有償ソフト)をPCにインストールしてネットワークに接続します。無線でも可能ですが安定性のため有線をお薦めします。
roon(有償ソフト)をPCにインストールしてネットワークに接続します。無線でも可能ですが安定性のため有線をお薦めします。

 

ネットワーク再生のための準備

 

まず、パソコン側に、roonという音楽再生ソフト(有償)をダウンロードしましょう。

まずは、フリートライアルをしてみて、ざっと使い勝手を試すこともできます。(フリートライアルはこちら)roonをインストールしたPCから、LANケーブルを介して218に信号を伝送する仕組みになります。再生操作はパソコン上のroonソフト画面から行うこともできます。とても見やすくて、動作状態が詳細に『見える化』されています。

 

さらにタブレットやスマートホンをお持ちの場合は、それらをリモートコントローラーとして併用することも可能です。roonのスマートフォン用アプリは、アップル、アンドロイド両方無償で入手できます。roon詳細の参考資料を見る)

 

roon独特の用語になりますが、roonを動かす頭脳となる機器をroon core ルーンコアと呼びます。ここでご紹介する事例はパソコンをルーンコアとして使う例です。

 

 おさらい(下図参照)

 

MQA音楽ファイルを218で再生したい時には、218以外に無線ルーター、LANケーブルとPC用の再生ソフトroonが必要になります。無線ルータはすでにお持ちのものが218と接続できる場合は新たに購入する必要はありません。主要な接続は下図をご覧ください。なお、roonはトライアルも可能です。

 

※赤外線リモコン+赤外線センサーはMeridian純正別売オプションです(定価合計価格 18,000円 税別)

iPhone,iPadは本体に含まれません。

操作に必要なroonアプリ、Meridian IP controlアプリは無償です。

別売リモコンでは、本体の電源とソース選択のみが可能です。ROONの再生操作はPCから行います。

iPhone,iPadを使うと本体の詳細設定やROONの再生操作も可能になります。


 

オーディオルームにLAN環境がない場合にはどうしたら良いでしょうか。

 

このときは何らかの方法でLANが配線できるネット環境をオーディオルームに設ける必要があります。隣の部屋から有線で引き回すことも出来ますし、もう1台の中継用の無線ルーターを購入して使うことも可能です。ただし安価な中継専用機種には218を接続するためのLAN端子がないものがありますので要注意です。必ず複数のLANケーブルが接続可能なタイプをお使い下さい。(中継用のルーターの詳細を見る)

 

高音質な音楽ストリーミング・サービスを楽しめますか?

 

218+roonの組み合わせで、TIDALおよびqubuzのストリーミングサービスを楽しむことができますが、現在まだ日本で正式なサービスはスタートしていません。通常、日本からの契約は出来ないようです。

 

218はパソコンと直接USBで接続できますか?

 

PCオーディオ、という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。音楽ファイルを再生する方法としてパソコン等とオーディオDACをUSBケーブルで接続する方法があります。残念ながら218はUSB端子が備わっていません。USBを使いたい場合には、MeridianですとミドルクラスのUSBーDAC機能が搭載されたPrimeというプリアンプを利用することをお勧めしています。(Primeの最新レビューを読む)フラッグシップの800シリーズ、Ultra DACはUSB端子入力もネットワーク入力も両方備えています。

 

 

ネットワーク再生の音質グレードアップ方法

 

ここでは基本的な構成内容を記すに留めました。しかしLANケーブルの選び方、引き回しの工夫、整理で音質は大きく変化します。さらにネットワーク周りの機器を吟味することも可能です。オーディオグレードの製品は高価ですが、PCの業務用製品はオーディオグレードほどは高くありません。ハブなどを金属製のボディで使うなども有効な選択と言えますが、まずいきなり投資する必要はないと思います。楽しみながら、少しづつ、主にノイズ対策を施すことで手応えのあるクオリティアップを達成していくことが出来ます。

 

究極のroon再生専用サーバーNeucleusが登場!

 

さて、小社ではオリオスペックさんが販売開始されたroon専用のサーバーNucleusに注目してサンプルを導入いたしました。roonはMQAと同様にメリディアンからスピンアウトしたエンジニアが起業した会社なのでroonとMeridianの相性はとても良いと言えます。

 

218とNeucleusを組み合わせると高級機種に迫るパフォーマンスも期待できる余地ありや?、と期待しているところです。この辺りは、またハイレゾ系の専門家にモニターをお願いして、じっくりレポートを公開したいと思います。どうぞご期待ください。

 

最近、 ネットワーク再生について購入前のご相談も以前より増えて参りました。ご質問がありましたら、御手数ですがメールにてお問合せいただけましたら幸いです。info@hires-music.jp  

 

 

ダウンロード
218ユーザーガイドv104 (10).pdf
PDFファイル 2.0 MB

Meridian218 で”Roon"を試す

218は音楽再生ソフト「roon tested」のプロダクトでもある。MQAの音楽ファイル再生も快適に楽しめる
218は音楽再生ソフト「roon tested」のプロダクトでもある。MQAの音楽ファイル再生も快適に楽しめる

 

Meridian218でMQAを楽しむには2つの方法があります。ひとつは、MQA-CDを再生する方法でお手持ちのCDプレーヤー、その他の光ディスクプレーヤーでMQA-CDを再生して、プレーヤーのデジタル出力を218の「光入力端子」あるいは」「同軸端子」に接続します。もちろん通常のCDやDVDも通常のチップメーカーのDACとはコンセプトが違うミュージカリティあふれるメリディアン・サウンドで楽しめます。詳しくはオーディオライター橋爪さんのこちらのレビューをご覧下さい。

 

さて、今回は音楽ファイルを再生する方法について簡単に紹介します。

 

■ネットワークへの接続とRoonのインストール

 

218をネットワーク環境に接続します。具体的には無線ルーターと218のNetwork端子をLANケーブルで接続します。同じネットワーク上のパソコンに”roon"をダウンロードしてインストールします。

操作はRoonをインストールしたパソコンからできますが、アップル、アンドロイドの携帯端末でも操作できます。同じく”Roon"のコントロールアプリは無償で提供されています。ダウンロード先については、下記をご参照ください。

 

 

 

”roon"(有償ソフト)のダウンロードはこちら。

”roon"は14日間フリートライアルが可能です。https://roonlabs.com/pricing.html

 

iPhone,iPad用のアプリはこちら。(roon remote)

https://itunes.apple.com/jp/app/roon-remote/id1014764083?mt=8

 

アンドロイド用のアプリはこちら。(roon remote)

https://play.google.com/store/apps/details?id=com.roon.mobile&hl=ja

 

 

■Roonの素晴らしさ。

 その1:かしこいコンテンツ情報

 

Roonを立ち上げると、その良さがすぐに分かります。例えばクラシックの名指揮者フルトヴェングラーの曲を再生すると指揮者や演奏者のプロフィールが表示されます。それぞれ楽曲には、多くののダグが付けられていてそれらをキーにした検索をすることができます。同じことを、グーグルに検索ワードを入れ、表示された内容から例えばWikiを選んで読むという行為に比較してみると非常にスマートでストレスのないサービスです。

 

Roonのコンテンツ紹介文には、色々なリンクが張り付いていています。フルトヴェングラーですと彼の履歴で他のオーケストラの名前などがあります。それをクリックすると、そのオーケストラの作品の内容を知ることもできます。つまり音楽コンテンツの内容を詳しく知ると共に、関連した情報にも容易にアクセスすることができます。新たなアルバムやアーチストについてもメンテして随時アップデートされていきます。

 


初期設定


■RoonでMQA再生を楽しむ

 

最初にひとつ記憶しておいていただきたいことがあります。Roonにはそれ自体でMQAをデコード可能な機能が備わっています。ただし制限があり44kあるいは48kに折り畳まれたハイレゾ信号を88kまたは96kにまで展開することができます。これはMQAコアデコード機能と呼ばれています。

 

メリディアンのDAC等のような、フルデコーダーを使う場合は、Roon側でのMQAデコード機能はOFFさせます。つまりMQAオリジナル信号のまま送り出します。その他のDSP処理(ボリューム調整も含み)パソコン側での処理は一切OFFして、元の信号のまま、すっぴんのままでフルデコーダーに送る(パススルーと表現されることもあり)ことが必須になります。以下の設定手順は、その詳細内容になります。

 

 

■言語を日本語に設定するには?

 

画面左の『歯車アイコン』Setting からLanguage(言語)>日本語 を選択します。

 

 

■出力先を選ぶ 設定>オーディオ 

 

ネットワークに接続した、フルデコーダーを選択し  有効  とします。(下図参照)

 

ここに機種名が表示されない場合は、①フルデコーダーが有線で(LANケーブルにより)ルーターなどに正しく接続されていること。②Roonを走らせているパソコンも同じくルーターに繋がっていること。以上を再確認してください。

 

 

■選んだ機器(デバイス)の設定に入ります。

 

選んだ機器(ここではMeridian218 )に隣接して表示される『歯車アイコン』をクリックして『デバイス設定』を選択(下図参照)

 

 

■デバイス設定を行う

 

MQA機能 からデコーダーのみを選択 します。 

(あるいは デコーダーとレンダラー でも大丈夫です) 

 

次に、詳細表示 V で最下行までを全て表示させる。

 

 

■デバイス設定のつづき

 

詳細表示 v すると項目が追加して表示されます。

MQAコアデコーダーを使用 > いいえ を選んで 保 存

 

※ROONには、それ自体にもMQAのコアデコード機能がありますが、MQA再生DAC(フルデコーダータイプ)と接続するときには、ROON側ではMQA処理を行わないので、MQAコアデコードを使用>いいえ、を選択してコアデコード機能はキャンセルするようにします。 

 

 

■設定の確認

 

画面の右下に、音を出す『ゾーン』、(ここではMeridian218) のアイコンが表示されます。

キュー(再生する曲名情報など)や音量 も並列して表示されます。

 

 

確認 MQAを再生しても再生機器のMQAランプが点灯しない(認識されない)ときは?

 

下記を確認してください。

 

■すべてのDSPプリセット設定を『なし』

■すべてのフィルターをバイパスする

 

MeridianのDACを接続する場合は、ROON側では何も処理をしないで、再生側で全ての処理を行うため、ROONのDSPプリセットやフィルターはパス(使わない)します。

 

 以上

 

Meridian 218 クイックスタート with iPhone / iPad

まず、CDプレーヤーを接続して動作確認


 

Meridian218は、ネット環境に接続して、iPhoneやiPadで操作することができます。(アンドロイド端末アプリについては、現在ありません)早速、218とIPad(またはiPhone)を用意して実際に動かす手順を確認してみましょう。下図は、シンプルな接続パターンです。

 

※なお、本機の電源プラグをコンセントに挿すと、

 

・電源がON

・同軸入力を自動選択

・音声出力可能(固定)  となります。

 

この状態で同軸入力にCDプレーヤーを同軸ケーブルで接続して、動作チェックを行うことも可能です。

 

 

■接続イメージ(例)

接続例は、CDプレーヤーと218を同軸ケーブル(別売)で接続。また、Wifiルーターと218をLANケーブル(別売)で接続し、iPad/iPhoneの専用アプリで操作する例です。
接続例は、CDプレーヤーと218を同軸ケーブル(別売)で接続。また、Wifiルーターと218をLANケーブル(別売)で接続し、iPad/iPhoneの専用アプリで操作する例です。

 

手順①

アップルのアプリをダウンロードする。アプリ名は、Meridian IP Controlです。

https://itunes.apple.com/us/app/ip-control/id1210420359?mt=8

 

 

 

手順②

アプリをiPhoneかipadにインストールが終わったら、218のNet端子とルーターをLANケーブル(別売)で接続します。

 

手順③

218の電源プラグを差し込みます。

出荷状態では自動的に電源がONになる設定になっています。

通電されると、パネル最左の青いインディケーターが30秒ほど点滅します。

その後カチッと音がしてから、センターのランプ(D1)が白く点灯するまで待ちます。

(D1)は、同軸端子が選択されていることを示しています。

手順④

インストールしたアプリ:Meridian IP Control を立ち上げると、自動的に218を検出します。>をスライドすると、操作画面が立ち上がります。

最下行の192.・・・・・・がアドレスになります。写真のアドレスは実際と異なります。
最下行の192.・・・・・・がアドレスになります。写真のアドレスは実際と異なります。

手順⑤

操作画面では、アナログ(Ana)、同軸(Coax)、光(Opt)、ネット(Net)の4つのソースが選択できます。

工場出荷状態では、音声出力は固定(FIX)となっていますので、音量調整はアンプで行います。電源のON・OFFは、操作アプリで行うことができます。

 

設定の変更など詳細については、操作ガイドをごらん下さい。

また、変更する前に画面コピーをとるなどしておくことをお勧めします。


《参考》

 

本機の機能設定は、iPhoneやiPadでも可能ですが、パソコンで行う方が画面(ブラウザの画面)が大きくて分かりやすくなります。任意のブラウザのアドレスバーに、アドレス(192.xxx.xxx.xxx.)を打ち込むと操作画面が現れます。

 

 

またブラウザGoogle Chromの自動翻訳を使うと、設定画面も日本語表示になって、必要な機能を探しやすくなります。

MQA-CDのいろいろ

1000円でCDとMQA-CDの聞き比べができる、ユニバーサルミュージックの2枚組サンプラー。邦楽バージョンも9月に追加発売されて全4タイトルとなった。
1000円でCDとMQA-CDの聞き比べができる、ユニバーサルミュージックの2枚組サンプラー。邦楽バージョンも9月に追加発売されて全4タイトルとなった。

 

■MQA-CDの正体は?

 

従来からMQAは新しいフォーマットではない。あくまでPCMのファイルである、と説明されてきました。そして、いよいよMQAエンコードされたコンパクト・ディスクの販売が静かに加速してきました。フォーマットとしてMQAPCMと同一フォーマットであるからこそ実現できたことです。

 

過去にはオーディオビジュアルの新しい技術の黎明期に、まずハードが先行してもソフトが無いという状況がありました。しかしMQA-CDについては逆にソフト企業が先行して参入しています。その理由として、まずソフトメーカから見て、従来のCDと完全互換性があったことが大きなポイントだったでしょう。しかし重要なことは音質上の明らかなメリットがレコード会社やレーベル、録音エンジニア、アーチスト側から認められたことです。こうした安心感と革新性の2つ要素を両立させたこともMQA-CDのきわだった特徴です。伝統と革新を重んじる英国らしいテクノロジーと言えるかもしれません。

 

MQAは、オリジナルのハイレゾ音源をコンパクトにするために、「音楽のオリガミ」と呼ばれる手法を用いています。例えば176kのファイルならまず半分に折りたたみ88Kにします。次にまた半分におりたたみ44kに変換する、というプロセスを踏んでいます。すなわちMQAーCDのマスターは44kの整数倍のマスターから作られています。

 

実際に現在、市販されているMQA-CDを見てみると、3種類のマスターから作られています。新録音のもので例えば、邦楽の新譜で初めてのMQA-CD発売を英断した南佳孝さんの《Dear My Generation》のMQA-CDは、88kHz24bitのPCMマスターです。また世界初のMQA-CDである日本のUnamasレーベルの《A.Piazzolla by Strings and Oboe》は176kHz24bit。早くからMQA-CDをリリースしていたノルウェーの2L(トゥエル)作品はすべて352kHz24bitです。

 

実際、南佳孝さんのアルバムを通常のCDプレーヤーで再生してもその音質の良さには少なからず驚く人が少なくありません。これは、従来のCDを作るプロセスで生じていた、膨大な時間軸のボケや滲みをコントロールされているからとMQAでは説明しています。

 

南佳孝さんの『柔らかな雨』の冒頭で雨音が使われているのですが、今までのデジタルでは、こうした波や雨など自然音は苦手でした。時には単なるザーという不自然なノイズにしか聞こえないこともあったのですが、今回の雨音は自然で情緒的な雨音です。人間が聴いてより自然に、立体的に感じとれる音が再現できる、このMQAの特長をうまく生かした素敵な演出だと感じました。ちなみに、南佳孝さんの新アルバムではサラウンドも制作されたのでオリジナルは96k24bitで録音して、そこからMQA-CDのために88k24bitのマスターを制作されたそうです。(e-onkyo musicでも発売中)

 

MQAーCDで色々な種類のディスクを聴くにつけ、マスターの周波数の違いよりも、録音そのものの質が問われるという「アナログ時代の当たり前」が、やっとデジタルの世界でも証明され再確認することができました。これがMQAの良さだという印象を強く持ちます。これが録音のクオリティやマスタリングの腕前に自信のあるレーベルがMQAやMQA-CDに意欲的である理由の一つなのかもしれません。世界初でMQA-CDをリリースしたUNAMASの沢口さんが述べていらっしゃる通り、MQAはマスターの音を良く補正できる魔法の技術ではありません。おそらく近々、自信と誇りを持って良質な録音作品を作っているレーベルやアーチストが大小を問わず今後も参入してくるものと思います。

 

次にアナログ録音の作品は、どうやってMQA-CDにするのか。DSD録音の場合はどうなのでしょう。これも同様に、MQAもしくはMQA-CDにするには、やはり一端はPCMマスターを経なければなりません。例えばユニバーサルミュージックから発売されている《ハイレゾCD名盤シリーズ》は、すべてオリジナルはアナログ録音です。これをすでに高品位なDSDでマスタリングされたマスターがユニバーサルジャパンにありました。これを今回は色々なプロセスを試して最終的には352kHz(DXD)にPCM変換してMQAマスターとしたそうです。整理するとアナログマスター >DSDマスター >DXD352kHz24bit >MQA-CD44.1k24bit というプロセスになります。また、アメリカのレーベル、チェスキーでは、アナログ録音からダイレクトにPCMマスターを起こしてMQA-CD化している作品も販売されています。

 

 


 

 

■バリエーションの広がり

 

MQA-CDの登場からもうすぐ2年。ここに来てCDという慣れ親しんできたメディアが再注目されていることは、大変に嬉しい限りです。何しろカセットテープやビニールレコード、真空管などがブームになったり注目される中で、どうも最近CDの存在感がどうも薄くなっているからです。ちょっと過小評価されすぎているのと思う今日この頃であります。ただ、ネットから離れて街のタワーレコードや山野楽器などCDショップに行くと、MQA-CDコーナーはとても「元気」です。

 

さて、『MQA-CDのいろいろ』について書いてきましたが、忘れてはいけないのが、そのパッケージ形態の多様さです。CDと全く同じ構造なので、当然ながらCDと同じように色々なタイプが発売されています。オーディオ好きな方のために少しだけ触れさせていただきます。

 

まずは、普通のディスクと物理的に同じ仕様でエンコードだけMQAプロセスで制作されたMQA-CDが、前述した南佳孝さん、ボブ・ジェームス、オクタヴィアの名倉雅人さんなどの作品です。MQA-CDと普通のCDのダブルレイヤーですか?という質問を受けたことがありますが、単純にシングルレイヤーのCD仕様のものです。CDプレーヤーでは再現されないローレベルの領域に、ハイレゾ成分の情報が折りたためれて収められているので、MQA対応のアプリ、ハードによりハイレゾ再生もオプションとして可能になっています。

 

少し脱線しますが、まれに隠れMQA-CD?とも思えるディスク(写真下)も見つけました。大人の事情なのか詳細理由は不明なのですが、ジャケットやディスク面にはMQA-CDの表記が全く見当たらないないのです。しかもアマゾンの商品画面上でも特に表記がありません。しかし実際にはMQAエンコードされているディスクなのです。単純に高音質なCDを制作する手段としてMQAエンコーディングを行ったのかもしれません。クレジットを調べると録音はAir StudioでマスタリングはGetewayマスタリングスタジオという立派な布陣。レーベルはワーナークラシック系列でした。

 

STEVE REICH

Pulse/Quartet


 

 

さて、次にSACDとMQA-CDのハイブリッド盤について触れたいと思います。SACDこそ元祖ハイレゾ・ディスク。これとMQA-CDを1枚で両方とも楽しめるのが、このハイブリッド盤の特長です。前述したノルウェーの2Lはこのハイブリッドディスクを続々と発売しています。

 

また、ディスクの保護層の素材面でもCDと同様のバリエーション展開が可能になります。現在のところ、信号層の反射率を上げて読み取り性能を良くするUHQCDという仕様を採用したMQA-CDがあります。ユニバーサルの「ハイレゾCD」がこれに該当します。ユニバーサルさんによると、MQAエンコードだけでなくプレス仕様にも最高のものを採用することで、究極のCD音質を実現させたかった、とのこと。発売タイトルもコレクションにふさわしい名盤ばかりです。(UHQCDの詳細はこちら)

 

 

音楽をコレクションとして楽しんできた世代にとって、SACDやCDはこれからも、かけがえのない存在です。そこにMQA-CDが静かに仲間入りを果たしています。またCDを卒業して音楽ファイル再生に移行している方にとってもMQA-CDはひとつの選択肢として注目されていると思います。HDDやNASへのバックアップする心配がありません。またパソコンで取り込んでしまえば普通のPCM音楽ファイルとして再生できるので「利便性」にも優れていると言えるのではないでしょうか。アプリがなてくもDAPやスマホ上に転送すればCD以上の音質で再生することはできるからです。

 

何にしろデーター量、転送レートが軽いことはMQAの最大のメリットで、352k24bitマスターのディスクでもMQA-CDならトイレに行っている間に、あっという間にパソコンへの取り込みが終わってしまうのです。ご興味があれば、iTunesでMQA-CDを取り込む方法はこちらの記事を参考にしてください。ちなみに、元のマスターがDXDでも、88kでも収録化棒な時間には影響がありません。まれにCD規格の収録時間をオーバーしているアルバムもありますが、CDとして問題なく収録されるのであれば、MQAーCDでも同様だとMQAでは説明していました。

 

最後にMQA社が充実したMQA-CDの専用ページを立ち上げたのでご紹介しておきたいと思います。何せ技術ライセンス会社のサイトなので少し固い説明が目立つ部分もあるのですが、音楽を楽しむ道具の一つとして彼らが目指しているところを感じてとっていただければ幸いです。(英文サイトですがブラウザーのChoromeをお使いの方は、画面上を右クリックすると補助的な自動翻訳が使えます)

 

また、小社のホームページでも、MQA-CDソフト情報を定期的にアップしてまいります。どうぞご覧ください。

 

http://www.mqa.co.uk/customer/mqacd

 


メリディアンPrimeのプリアンプとしての能力はいかに?

ハイレゾ制作ユニットBeagleKickのMQA音源による試聴レビュー

 

メリディアンオーディオ Prime Headphone Pre  Amprifier
MQA再生フル・デコーダ搭載機として草分け的な存在のロングセラー。話題のMQA-CDもリッピングすると再生が可能。

 

文:オーディオライター 橋爪 徹

 

筆者がMQA社と初めてコンタクトを取ったのは、MQA配信が日本で始まる前の2016年3月のことだった。東京の表参道で行われたハイレゾ・イベントで、日本のMQA担当者に直接相談を持ちかけたのが始まりである。ハイレゾ音楽制作ユニットBeagle Kickの総合プロデューサーとして、革新的な音声コーデックを推進しているMQA社の動向にいち早く注目したのだ。

 

その後、自らの音源のマスターとMQA版とを実際に聴き比べることも叶った。晴れて「日本で初めて自分たちの音源をMQA試聴した制作者」となったのだった。この度、我々の2ndアルバム発売を控え、ここ最近の楽曲がMQA化されて提供された。早速、この音源を使い、メリディアンのプライム・ヘッドフォン・プリアンプ を本格的なオーディオ・コンポと組み合わせてどれほどの力量を見せてくれるのか確かめていきたい。

 

MQAの開発者でもある、ボブ・スチュアート氏が設計した『プライム・ヘッドフォン・プリアンプ リミテッドバージョン』(以下、本機)はベースモデルの『プライム・ヘッドフォン・プリアンプ』に別筐体の専用電源ユニットを組み合わせた限定モデルだ。

 

オーディオの世界では、ノイズや振動源ともなる電源部のノイズ対策は音質上の根本的な解決のために重要だ。強力な電源は同時にノイズの源ともなってしまうため、別筐体にすることは、いわばアンプとしては贅沢、なおかつ理想的な解決策とも言えそうだ。

 

 


 

筆者が注目したポイントを紹介しよう。本機の電源ユニットのリアパネルを見るとUSBの入力と出力端子がある。これは何をしているかというと、USB信号そのもの、つまり音楽信号には一切手を加えずにパススルーし、パソコンから伝送される5Vの電流を再生成しているのだ。USBケーブルは、信号ラインと電源ラインがあり、相互の干渉で音質に影響が出ることは知られているが、PCからの盛大なノイズが電源ラインに乗ってUSB-DAC側で悪影響を及ぼすことも見逃せないポイントだ。

 

本機の電源はPCに依存しているバスパワー動作ではないが、USBから来るDC 5Vの電源ラインは受け手の基板内に入るためクリーンな状態の電気が送れるのはメリットになるだろう。持ち上げてみると電源ユニットはズッシリとした重量で内部のトライダルトランスのしっかりとした存在をうかがわせる。その他、本機の詳細については是非、こちらを読んで参考にして欲しい。

 

mqa meridian audio prime headphone  amp

 

まず、防音スタジオのメインシステムと組み合わせて試聴してみる。CDプレーヤーからのアナログ出力(RCA)を繋いで、プリアンプとして試聴した。聴き慣れているFUNKIST×二人目のジャイアンより「#君に届け」やDTMステーションCreativeによる小寺可南子の「Sweet My Heart」を聴く。楽器の音の輪郭がクッキリとして音場の深さも向上したように感じる。プリアンプとして極めて小型であるが、5層基板を使ったノイズ対策と信号経路の短縮化が生かされているのか、全体的にクリアで楽器の音だけがそこに存在するような説得力に感動した。

 

さて、いよいよ本稿の主題。防音スタジオのメインスピーカーに組み合わせてのチェックといこう。今回の試聴に当たり、SPECのパワーアンプRPA-W5STを2台お借りした。ステレオアンプのRPA-W5STの設定をモノラルモードにして、PrimeからのRCA出力はパワーアンプ1台ずつにそれぞれ接続。バイワイヤリング接続に対応したMENTOR2を片チャンネルあたり1台のRPA-W5STで鳴らすという贅沢なシステムだ。

 

Meridian Audio 

  

SPECのアンプと言えば、Dクラスアンプの高効率を活かした放熱口のない流麗なデザインが印象的で、実際スタジオに置いてもスプルース(マツ科トウヒ属の針葉樹)とカエデ材によるサイドパネルとインシュレーターは見た目の暖かさがあって美しい。もちろん、このデザインは音質への貢献も小さくない。この高品位なアンプ、しかもモノラル使いでワンペアというパワーアンプに本機を組み合わせたらどうなるか、ワクワクしながらセッティングを行った。

 

 

spec rpa-w5ST
高性能PWM方式スイッチングデバイスと高品質スイッチング電源システムによる、スピード感あふれるエネルギッシュなサウンドが魅力のSPEC RPA-W5ST

 

 

ハイレゾを聴く前に、PCに取り込んであったCD音源をPCからUSB接続で再生してみる。先ほどと同じCDから、ブラスセクションが印象的なバラードを聴く。音のトランジェントが鋭く音楽情報以外の無駄(ボヤけ)が感じられない。スネアの音像が特によく見えるというか、各楽器が立体的でディテール表現も豊かだ。打ち込みと弦楽器が融合した女性ボーカルでは、電子楽器の音の粒子が細かく、ボーカルの息遣いも一段上のグレード。こちらはCDの時点で非常に音がいいソースなのだが、音の立ち上がりや余韻の消え際もハイレゾさながらで息を呑んだ。

 

Primeは決して何かを足している訳ではない。メリディアン独自のアポダイジング・フィルターが、音の立ち上がり前の微細なボケ(プリーエコー)を補正しているのだ。これはメリディアン独自のDSP技術ノウハウで、これがMQAにも生かされている。MQAではない音源でもその恩恵を受けられるのは嬉しい。

中央のミキシングコンソールと各種アウトボードでリアルタイムにアナログミックスを行った。コンソール前方には部屋の響きを録るためのアンビエンス用マイクがある。限られた時間でテイクを繰り返しながら、同時にミックスも確定しなければならなかった。まさに怪物フォーマットによる現代のダイレクトカッティングだった。

 

メンバーをまとめるギタリストの和泉聡志。抜群のテクニックに、ニクすぎるアドリブセンス。

収録の合間は、適度に冗談を挟みながら場を暖め、よい演奏を作るためのディスカッションにも余念が無い。メンバー全員がこの場限りのセッションに真摯に向き合ってくれた。

 


 

ここからは今回のテスト用にMQA社のボブ・スチュアート氏に特別にエンコードしてもらった我々Beagle Kickの音源をじっくり聴いていく。

 

「ROUTE357」はアナログシンセがフィーチャーされた80年代の薫りが漂うネオジャズフュージョンだ。アナログシンセは、MoogのSub Phattyを使用した。現代のマシンとあってとてもクリアで、澄んだ音が聴けた。つまみを回しながら一つ一つの音を作っていき、音が出来るごとにProtoolsへ録音していく地味な作業は夜通し続いた。ほぼ全ての打込みトラックを差し替えたことで、有機的で音の太いアナログサウンドを実現している。

 

まず通常の192kHz/24bitのハイレゾでも温度感のある電気の音は確認できた。アナログシンセは、デジタル処理を一切介さずに電気回路を通った生の音をLINE出力から取り出すことができる楽器だ。その音はソフトウェアシンセでは難しい肉厚で有機的な質感を持ち、「電気の音」と呼ぶに相応しい存在感を味合わせてくれる。

 

強力な電源ユニットの駆動力を得て、アナログシンセの音は十分なエネルギーを与えられたように太く伸び伸びと鳴っている。電源部にスペースやコスト的な制約のあるプリメインアンプなどでは、どうしても中域が抜けたり低域に量感が足りなかったりする場合があるが、そういった不安要素が皆無だ。

 

さてMQA版にしてみると本機のインディケーターがMQAを認識する。さきほどのアナログシンセの音がより色彩豊かになって、いわゆる”電気の音”が微細な躍動を起こしていたことに気付かされる。リバーブの残響がクリアになるのも聴き所だ。音場全体の透明感も増してくる。SPECのS/N感は期待以上で、微弱音がハッキリと聴き取れる。スピーカーのドライブ能力は十分な余裕を感じさせるいい鳴りっぷりだ。高域に雑味も無いし、歪みの極めて少ないピュアな印象だ。

 

 

アコースティック・ベースは写真の窓越しに見えるブースの中で演奏してもらった。彼は別ブース内でお一人様状態となったのだが、これはみんなと同時に録ったという証拠写真である。芯のあるアコースティックな録り音を確保することができた。


 

 

続いてサックスとコーラスが心地よいフュージョン「EVERYTIME」。この楽曲はフルートも同じ方に吹いてもらっているのだが、MQAになると「人間が演奏している感」が明らかに増している!例えば、音階が変わっていないフレーズでも、奏者の抑揚が実に生々しく聞こえてくるのだ。これはレコーディングに立ち会った身として、「現場」に戻れたような気がして嬉しくなった。

 

今回の試聴システムは総じて周波数バランスは極めてフラットで厳密な音質チェックにも十分なレベルだった。木製インシュレーターを使ったSPECのアンプの影響かアコースティックな温もりも伴って、単なるモニター的な音質傾向には留まらない豊かな味わいもあって音楽を楽しく聴くことができた。

 

この楽曲には佐藤嘉風のコーラスも入っている。収録に使用したマイクはノイマンM149 Tube。Beagle Kickではもっとも使用頻度が高いリファレンスマイクだ。MQA版を聴くと、コーラスの鮮度が明らかに向上した。普通のハイレゾに戻すと、まるで「曇りガラスの越しのジェスチャーゲーム」を体験させられているようなガッカリ感だ。MQA版で味わえた瑞々しいコーラスは、(デジタルになる前)アナログ回路の段階ではこれだけの情報量を持っていたであろうことを伺わせてくれる。

 

オーディオライター 橋爪 徹

 

次はスタジオで一発録音した渋いジャズ「SUMMER VIBE」。こちらはマスターが768kHz/32bit整数で収録した。録音できる最上位のPCMフォーマットで収録されている。マスターから変換した768kHz/24bitと384kHz/24bitの2つをMQAにしてもらった。

 

結論から先に述べると、384kHz版の方は音が太く、楽器のディテール表現も自然で、マスター音源の印象を色濃く感じさせてくれた。通常のハイレゾ音源とMQA音源を比較してみると、演奏のリアリティはもちろん、空間の曇りや濁りが少なくなっていた。

 

みんなで「せーの!」で演奏して、アナログによるリアルタイムミックスを行い2chで録音した本楽曲。オンマイク以外にもアンビエンスマイクも立てていたから、よりルームアコースティックが臨場感を増したのは歓迎できる。768kHz/24bitでは、音のリアリティがスポイルされたように感じた。楽器の音が不自然に痩せてしまっており、特にトランペットとギターは音像の曇りも確認できた。地に足が着いていない音という印象だ。768kHzのMQAをフルデコードできる機材は、思い当たらないので、いずれ一度は聴いてみたいところだ。きっと上記の不満点を一掃する素晴らしい音になるはずだ。

 

その他にも最新シングルからファンクロックの「VOTEVOLUTION」なども聴いたが、総じて演奏に血が通ったような変化を感じる。オリジナルはあくまで録音された音楽作品であり、体裁良く整理されたような完成度がある。

 

対して、MQAになるとスタジオで自分のためだけのライブを聴いているような生っぽい躍動感を味わえるのが驚きだ。しかも、音楽作品としては破綻していない。他にも楽器のディテールや定位表現、リバーブの解像感などといったオーディオ的な側面も良くなるのだが、やはり演奏に込められた抑揚や緩急、イントネーションといった魂の部分を鮮烈に聴かせてくれるのが真価といえるだろう。

 

ハイレゾ製作ユニット ビーグルキック

 

最後にヘッドフォンでもチェックしてみた。まず、筆者リファレンスHPH-MT8(ヤマハ)では、楽曲のイメージを崩すことなく忠実に再現する方向性が見えて、”無個性なことが個性”といえるとても好みの音だった。次にHD800(ゼンハイザー)は、各楽器が明瞭に分離して、中低域が骨太だ。HD800の持ち味である超高解像度の出音がストレートに感じられるのは、筆者のリファレンス・スピーカーでの試聴と共通の印象だった。

 

Beagle Kickの音作りのコンセプトは一言でいうなら、「音楽としてカッコ良く、しかも音のいい楽曲を作る」である。まず、音楽として僕たちが心からカッコいいと思えるための録音、そしてミックス、さらにマスタリングまでを一貫して進めることが大前提だ。

 

ハイレゾ音楽制作ユニットと銘打ってはいるが、音楽の感動をより深めるための手段としてハイレゾを選んでいるに過ぎない。単なるハイスペック録音が目的ではない。ここにはプライドを持って取り組ませてもらっている。今回は、本機でBeagle Kickの最新楽曲をMQAで聴かせてもらった。我々が曲を作ったときの意図を忠実に、より瑞々しく楽しませてくれたPrime。リファレンスと呼んでもいい高音質を体験できた。

 

 

2018 Toru Hashidume

  

協力:スペック株式会社


MQA-CDをiTunesに取り込んで聴く


好きな音楽をゆるく、かるくハイレゾで愉しむ方法


 

MQA-CDは簡単にハイレゾ音質を楽しむのには重宝な存在です。再生するには、専用のCDプレーヤーがあればてっとり早いのですが、今現在はまだ選択肢が少ないのが現状です。開発したMeridianもハイエンド1機種のみが販売されている状況です。

 

そこで、ここでは、MQAーCDを再生する手段の一つとして身近なフリーソフト、アップルのiTunesを使ってMQA-CDを一度パソコンに取り込んでハイレゾで再生する方法を試してご紹介してみたいと思います。

 

用意するものは・・

 

音源のMQA-CD

iTunesをインストール済みのパソコン(Mac or Win) USB端子付き

Explorer 2 (MQAt対応のUSBーDAC)

同付属のUSBケーブル、

 

以上です。

 

SACDはiTunesに取り込むことができませんが、MQAは従来規格との互換性があるためCDと、ほぼ同じ要領で取り込み、再生することが可能となっています。かなり、便利なメディアが登場したと言えるでしょう。

 

レビュー環境:Win10  Pro, iTunes 

 

まず、PCに接続(あるいは内蔵)のディスクドライブにMQAーCDを装填。iTunesが自動で起動したら取り込みの設定を確認してください。(自動起動しない設定の場合は、iTunesを起動させてください)

 

最初に行うべきなのはどんなファイル形式で、取り込みを行うか、の選択です。

iTunesでは取り込むことをインポートと呼んでいますので、以下、インポート作業として進めていきます。iTunesの画面で『インポート』というグレーのボタンをクリックすると、写真のように『インポート設定』画面が開きます。インポート方法からAIFFかAppleロスレスを選んでください。

 

ちなみに、WAV形式を選択してもMQAは再生できます。しかしアルバム・ジャケットの編集(後述)が簡単にできないので初心者には少し面倒なものです。

 

また留意点として、MP3やAACは選択できません。ハイレゾ再生は出来ない形式に変換されてしまうため、ここでは除外対象とします。また、ビット深度を16ビット(CDのフォーマット)から変換して取り込むとMQAーCDのデーターとして扱われなくなりますのでご注意ください。

 

さて上記のようにインポート方法を選んだ後に、その下のエラー補正(下記の写真(1)中央付近)にチェックをするとハイレゾ再生の品質や安定性に有効です。少し読み込みが遅くなりますがお勧めしておきます。

 

写真(1)インポート設定 画面
写真(1)インポート設定 画面

 

さて、インポート設定が終わったら、『インポート』ボタンを押すと1曲目からインポートが始まり終了すると緑のチェックが曲番号の横に表示されます。目的とする曲の取り込みが終わったら、ディスクをドライブから取り出しても問題ありません。

 

 

さて、CDのインポートが終わったら、ここで、いよいよExplorer2を付属ケーブルでパソコンと接続します。

 

パソコンには音声出力を選択する機能が必ずあります。Windows10の場合は、コントロールパネルを開いて、サウンド設定で、Meridian Explorerが画面に表示されていることをまず確認してください。

 

次に、サウンド>再生 のボックス内のExplorer2を右クリックして有効とします。これで音声がExplorer2から出力されるようになりました。

 

さらに、ボックス上に並んでいる『全般』から『立体音響』まで5つあるタブから4番目の『詳細』に移動すると、最後のポイントとなる大切な設定画面が現れます。ここは少し、詳しくみてみましょう。

 

写真(2)コントロールパネルのサウンド設定の画面
写真(2)コントロールパネルのサウンド設定の画面
写真(3)サウンド>スピーカーのプロパティ 設定の画面。接続するExplorer2は、ハイレゾ再生(スタジオの音質)に対応しているので、24ビット、44,100Hzを選択。通常のCDを再生するときも、この設定のままで問題ない。
写真(3)サウンド>スピーカーのプロパティ 設定の画面。接続するExplorer2は、ハイレゾ再生(スタジオの音質)に対応しているので、24ビット、44,100Hzを選択。通常のCDを再生するときも、この設定のままで問題ない。

 

上の写真(3)のようにサウンド>スピーカーのプロパティ>詳細の画面で、24ビット、44100 Hz(スタジオの音質)を選びます。その下の2つのボックスは、ともにチェックを入れると完了です。

 

この設定で、取り込んだMQA-CDのファイルはパソコン上では何も加工されず、元の情報がそのままExplorer2に送り込まれるようになります。MQAのデーターは、何らかPC側で加工されてしまうと、普通の音楽データーとして扱われるようになりますが、ちゃんと音は出ます。しかし、高解像度:ハイレゾ再生はできなくなってしまいます。

 

音は出るけどMQAのランプが点かないというトラブルの多くは、この設定で解決することがありますので、ちょっと記憶していただけると良いかもしれません。

 

さて、無事にMQAの音楽ファイルが正しくPCから出力されると、写真のようにExplorer2のインジケーターの端のランプが青(あるいは緑)に点灯します。これが、スタジオでエンジニアが認証したMQAファイルであることを示しています。

 

Explorer2のインジケーターの点灯数は、パソコンから入力されたファイルの周波数(それぞれ44k,88k,172k以上を示す(CDの場合))です。今回使った、ユニバーサル・ミュージックのハイレゾCDの場合は、352k24ビット音源でなので、写真のように、3つ点灯して最初の1つがMQAを示すブルーに変化しました。

 

 

【おまけ情報】CDジャケットの貼り付け方

 

iTunesの場合、CDから楽曲をインポート(取り込み)すると、ジャケット写真も自動的に取得してくれる機能があります。しかしこの機能がカバーしていないアルバムも時に遭遇します。今回、試したユニバーサルの1000円サンプラーも、ジャケット写真は自動で取り込んではくれなかったのです、残念。

 

この場合は、下の写真のようにグレーアウトした対象アルバムを右クリック。選択肢から >アルバムの編集へ進んで、あらかじめ用意したアルバム写真を貼り付けることができます。レアな作品、海外レーベルなどは、iTunesでカバーしていないこともあります。これらはアルバム・ジャケットをネットで探して、これをペーストすることができます。

 

アルバムの編集>アートワーク画面へ。左下の「アートワークを追加」をクリックして、用意しておいたアルバムのジャケットを読み込んできます。

このアートワークの追加は、WAVファイルでは使用できません。
このアートワークの追加は、WAVファイルでは使用できません。

グレーアウトしていたスペースに、取り込んだアルバム写真が張りついたらOKで完了。やはり、ジャケット写真が張り付くと、楽しいですし使いやすくなります。

 

 

さて、今回は最もポピュラーな音楽プレーヤーiTuneで、MQA-CDを取り込み再生する方法をご紹介しました。ぜひ好きなアートストの作品がMQA-CDで発売されたらお試しください。アナログ時代のリマスタリング作品では、その瑞々しさに時代を忘れるほどです。また、最新技術を駆使した録音では、まさにリアリティと、その圧倒的なクオリティにCDという枠を超えたものと実感いただけると思います。

 

 


 

注:WindowsPCでは、従来専用ドライバー(無償)が必要でしたが、WIN10の最新バージョンでは、ドライバーが必要なくなっています。残念ながらマイクロソフトから十分な情報が発信されておりませんが、今回のレポートはメリディアンの専用USBドライバーを完全にアンインストールした状態で行っています。なお、引き続きWIN8以前のパソコンでは、専用ドライバーが必要です。なお、MacOSではドライバーソフトは必要ありません。