別体電源ユニットとシステム販売。「プライム」の限定バージョン

Prime のLimitedバージョンについて

オーディオアンプにとって電源部は音質上のベースとなる存在であることは言うまでもありません。しかし、同時に大きなトランスなど磁束や振動や熱対策をあれこれ、とったとしても電源部は、デリケートなオーディオ信号にとっては皮肉にもノイズ源でもある、ということには変わりありません。理想的な電源部がどうあるべきか、その答えの一つの究極が電源ユニットの別筐体化です。英国のハイエンドコンポでも、こうした電源部の別筐体化はしばしば行われてきました。

 

Primeの限定バージョンは、Prime本体と別体の電源ユニットのセット商品です。量産することが困難なウルトラ・ローノイズの手巻き薄型トロイダル・トランスを使っているため、日本向けに確保できる台数が残念ながら限定されています。Primeのアルミ2重シャシーに加えて、ノイズを遮断するためのアンダーベースを介してトロイダルトランスをマウント。その美しい内部構造は公開されていませんが、その繊細で合理的なレイアウトはメリディアンのDSPスピーカーやフラッグシップの800シリーズのリニアパワーサプライの開発ノウハウが反映されたものと言えるものです。

 

Prime単体と比較してみるとヘッドフォンでもスピーカー試聴でも音楽表現の奥行きが増し、全体域でより安定したバランスの良いサウンドが得られるとともに、聴感上の静かさが音のディテールをより豊かに際立たせる印象があります。また低音部の深さ、表現力にも安定して高い評価を得ています。(試聴レビュー参照)

 

電源ユニットはPCからのUSB信号を受けてPCからの5V電源ではなく、電源ユニットによるクリーンな5V電源を供給するための、USB入力と出力端子が装備されています。すなわち、USB信号はPCから電源ユニットを経由して送られる事になります。こちらからの問い合わせに対してメリディアンから、USB信号そのものには、何も足したり引いたりすることは行っていないと回答がありました。

 

プライム本体は直流12Vで駆動されます。電源部のリアパネルを見ると、そこにはなぜか12V電源が5つも並んでいます。将来このサイズで他のコンポも開発されるのでは?と期待して、これもメリディアンに質問をぶつけてみました。残念ながらニコニコしながら今のところは予定はない、との回答でした。

 

どちらにせよ、この電源部がプライムをドライブする能力としては相当の余裕があることは間違いないでしょう。また、オーディオ用の電源タップにACアダプターをつなぐのに抵抗を感じる人も少なくないと思います。見た目もゴチャゴチャします。この限定商品は決して潤沢で安定した供給体制とは言えない状態のため、少数を輸入して限定販売とさせていただいている状況です。

 

メリディアンからは、デスクトップのハイエンド、という打ち出しだった本機ですが、DAC搭載プリアンプとしては入出力も機能も最小必要限度にしたことが音質クオリティというコアな付加価値を上げることに功を奏したと思います。

 

オーディオ信号基板は6層高密度たった1枚に集約、そして表示ディスプレィもランプのみとノイズ源になる要素を排してシンプルに割り切ってハイエンド・クラスの音楽表現力を頑固に維持したのだと思います。DACとしてもメリディアンらしい表現力を備えておりMQAの再生でも、やはり電源別筐体のリミテッドは次元の異なるさらなる音の深みが得られ、特に低音域では明快な能力の差を感じさせる、という声をお聴きすることが多くあります。

 

外観上も電源部と本体を重ねてもデザインは美しく、横置きでもすっきりレイアウトしていただけます。弊社のデモ機は、電源コネクターの入力端子部をミッキーマウス型から通常のインレットタイプに少し手を加えて改造してみました。

 

 

 


このモデル、当初は日本には導入しない、と断られたほどでした。たしかに想像した以上に手巻きのトロイダルの生産対応が難しいそうですが、是非日本のオーディオファンのお客様にも聴いていただきたく何とか発売をすることが出来ました。こちらのエンジニアの見立てでは、一般的なトロイダルトランスに比較すると、非常に薄型で確かに今まで他ではあまり見かけないタイプだったそうです。

 

※限定モデルのため在庫状況は、色々状況が変化するため当社infoまでお問い合わせください。(2019年1月現在 継続販売中)

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